Jardin nostalgic×HIKARI FLOWER in 東京競馬場
2020年11月29日(日)に東京競馬場で開催された国際的なレース、JAPAN CUP(ジャパン カップ)。
その出場馬たちのお披露目のステージであるパドックの装飾に携わらせていただきましたが、ジャパンカップでの植栽デザインは、実は驚くほどサプライズの連続でした。
今回は植栽デザインの裏側のお話です。
8月までの長雨と、それ以降の酷暑の影響で植物が育たず、草花の生産農家さんはどこも大変苦労されたようです。その影響もあって、この時期に揃っているであろう植物が、今年に限って市場にほとんど出荷されていない状態でした。
パドックの植栽デザインを考えて、さて植物を集めようという段階になっても、希望していた通りのものは一切手に入らない、という状況に私たちは幾度も悩まされました。パドックの統一感、植栽の鮮やかさ、そして出場馬たちをいかに美しく見せるか。解決出来るか分からない問題が山積みのままでした。
その様な中、頭を抱えながらパドックの草花を手入れしていると、騎手待機室の前に見事なフラワーアレンジメントが運ばれて来ました。
偶然にも、その美しいフラワーアレンジは、あの神楽坂のジャルダンノスタルジックさんが作成したものだったのです。
ジャルダンさんによると、私たちがパドックデザインをしていると知らずに、何度も植栽の動画をみて、同じようなイメージになる様にアレンジしてくださったそうです。
どの作品にも手を抜かず、自然と調和するプロの姿勢。一流のフローリストの仕事の質に深く感動を覚え、何とも言えない安堵感が私たちの心の中に広がっていきました。
そしてこの美しいアレンジをパドックにリンクさせようと思いつき、アレンジメントに使われていたものと同じ植物をジャルダンさんから取り寄せ、バラの枝とバラの実を盛り込んだパドックの燃える様な赤い寄せ植えの中に取り込みました。
今年は新型コロナウイルスの影響でジャルダンさんとのブーケレッスンが出来ずにいましたが、競馬場での嬉しいサプライズ・コラボレーションとなりました
あれからひと月経った今でも、私たちのデザインに合わせてアレンジメントを作って下さったジャルダンさんへの、深い感動が忘れられずにいます。
来年の春こそはジャルダンさんとのコラボブーケレッスンができますように・・・。
東京競馬場の植栽デザインについては過去のブログをご参照ください。